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2007年11月20日 (火)

ドキュメンタリー映画「新・波の記憶」

今年の夏ドイツで上映した「波の記憶」(67分)を52分の作品(日本語版)に再編集する作業が終わった。これから英語字幕版の作業が待っているがひとやま越えた。

撮影の仕事は足し算、編集は引き算。自ら撮影した貴重な映像をばっさばっさと切り取ることがなかなかできない。何度もチェックし迷路に迷い込んでいくような日が続いた。

特に音には泣かされる。撮影の基本が非演出である。ドキュメンタリーなので当然のように思われるが、テレビ番組などで見ているとその多くが演出されている。素人にはわからないように演出するのがプロ。演出すると流れがとまり映像のリズム感が失われしらけた物になってしまう。

写真家の木村伊兵衛、土門拳 カルティエ・ブレッソンなど影響を受けた写真家の映像は停止しているが動きがあり生命感があふれる。隙がなく見る者に感動を与える。それはあるがままの、演出を排除した瞬間であるからだ。

ビデオカメラの場合は音がプラスされる。会話、音楽、雑音、それらをどう生かすのかまた消すのか。編集の能力がないので試行錯誤する。直観力や忍耐が要求される。ほとんどがカメラマイクで拾った音の場合は厄介である。映像は撮れたが、音が取れていない! こんなことは日常茶飯事。しかし緊張感のある場面は捨てられない。さあどうする。

撮影には細心の注意が要求されるが大胆なカメラワークもなくてはならない要素になってくる。

今ある素材を生かせ!

ドキュメンタリー制作は体力、気力、コミュニケーション力、洞察力、時として予知能力までも引っ張り出す。次の瞬間を読むのだ。これから起こりうることを。

30才や40才では理解できなかった。ようやく立ったスタートライン。

だからドキュメンタリーは面白い。これからはお涙頂戴のドラマもいいが、ドキュメンタリーだぞドキュメンタリー。

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