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2008年7月14日 (月)

カナダ先住民出身の少年

先月からカナダのリルワット(ブリティッシュ・コロンビア州内)というところから来ている先住民族の少年、アティラが我が家に居候している。

彼の住むリルワットはバンクーバーから内陸に200キロほど入った山、川、湖がある自然豊かなところ。今年2月にドキュメンタリー製作にお邪魔したところで、彼の父親とは親友である。

彼にとってウフムック語が母国語になっているが、今は英語を日常会話として使っている。彼自身は母国語を理解できない世代である。

カナダでは1998年を最後に、寄宿学校があった。そこでは先住民族の言葉が禁止されていた。彼の祖父や祖母は両方の言葉を話す。最近は小学校で母国語が学習プログラムに取り入れられている。

彼が北海道に来たのは、6月の28日。空港に迎えに行ったのだが、髪型が以前会ったときと違っていて気が付かず、危うくすれ違うところだった。

以前、書いた「ピリカ・ケウトゥム・アプカシ」という樺太アイヌの強制移住のルートを一月かけて歩いたピースウォークの運動の最後のイベントが開かれた日に合わすように、彼は北海道に来た。

イベントではアイヌの若者たちの音楽を楽しみ、引き続き翌日から「先住民族サミット2008」へ合流。

この会議には特別に出席を許され、彼の故郷で計画されているリゾート開発問題について発言した。

日本のリゾート開発企業「NIPPON CABLE」ニッポンケーブル(本社、東京)は、カナダのプロスキーヤーで元ゴールドメダリストのナンシー・グリーンとその夫アル・レインが経営する会社などと企み、すでに巨大なサンピークス・リゾート(B・C州カムループス市)を経営している。その規模は長野県の志賀スキー場全体の3倍にあたる。

その企業がリルワットの山岳地帯に目をつけた。それを知った村は大騒ぎになった。8年前から計画予定地の入り口に小屋を建て、一人の男が住み始めた。あるときは開発側がよこした暗殺者からライフル銃を付き突きつけられ、引き金が引かれた。しかし、その銃から弾丸は発射できなかった。そのほかにも嫌がらせは続き、小屋の玄関には散弾銃の跡が今も残っている。

こうしてカナダの環境破壊はB・C州政府の容認のもと進められている。

2010年に、アティラ君の住むリルワットにあるウィスラースキー場などで冬季オリンピックが開催が決まっている。

彼は先住民族サミットの会議で故郷の現状を発表した。

出席者からの質問 「それはオリンピックのための計画か?」

アティラ 「オリンピックとは関係ない。ただ金儲けのためだ」

出席者は失笑。

どこも同じ経験を持つ先住民が多い。経済発展がもたらした環境破壊計画はいまや歯止めが利かない。

G8サミットは案の定、何の解決策も見出せなかった。

我々、先進諸国は自国のエゴを丸出しにして途上国の資源を貪ってきた。

もう終わりにしよう。

「経済成長」という宗教から抜け出そうか。

そう考えるとずいぶん気が楽になる。

他国を侵略しないですむし、戦争もなくなり、公害で空気も水も汚染されることもなくなるだろう。教育方法も変わる。企業人の養成学校的なシステムを根本から変える。そうするとむやみに人を殺すモンスターが生まれることもなくなるだろう。

先進諸国は、これまでに溜め込んだ資金と技術を途上国の庶民の幸福のために、惜しみなく使おうではないか。この活動はすでに多くのNGOが始めている。世界の首脳たちがそれについていけるかどうかがこれからの人類の幸福にかかっている。

これからは「経済縮小」の時代だな。

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