« 「波の記憶-舟大工、新城康弘の物語」上映会のお知らせ | トップページ | 民主党選挙 »

2010年9月14日 (火)

「エコノミックヒットマン」と「さらば日米同盟」

「エコノミックヒットマン---途上国を食い物にする」(東洋経済新報社)という本がある。著者はアメリカ人ジョン・パーキンス。

カバー裏にこう書いてある。 ---私の仕事には主要な目的が二つある---。第一に、巨額の国際融資の必要性を裏づけ、大規模な土木工事や建設工事のプロジェクトを通じてメイン社ならびに他のアメリカ企業に資金を還流させること。第二に、融資先の国々を破綻させて、永遠に債務者の言いなりにならざるを得ない状況に追い込み、軍事基地の設置や国連での投票や、石油をはじめとする天然資源の獲得などにおいて、有利な取引をとりつけることだ。---(本文より)

これまでに餌食になった国は南米、アジア、アフリカと数多い。この本はノンフィクションで実話を本人が書いている。アメリカがいかにして世界の富を独占してきたかを知るための必読の書だと思い買った。

そして、なぜアメリカは国連の承諾なしにイラク戦争を開始したかという理由のヒントが読み取れた。ベネズエラのチャべス政権の誕生が大きい。近年、反米政権が次々と誕生した南米の中でも、チャべスは肝いりのアメリカ嫌いで有名である。しかも、世界有数の産油国でその多くをアメリカに輸出していた。チャべスは石油会社を国有化しアメリカの石油戦略は大きくつまずいた。ブッシュ政権は無理やりでもイラクの石油が欲しかったのだ。

エコノミックヒットマンによる経済的作戦に失敗し、アメリカの傘下に入らない国は軍事攻撃(パナマ、エクアドルもそうだ)してまでも自分の物にしてしまうというアメリカという傍若無人の国、いまや地球上でもっとも危険な国であることを再認識した本であった。

もう一冊は元レバノン大使が書いた「さらば日米同盟」(講談社)。

この本は、いかにこれまで自民党政権がアメリカと異様な関係を結んできたかを証言し、これからの日本という国の方向性を示してくれた元外交官の良心の書である。

天木直人は、イラク戦争支持し自衛隊を派遣した当時の小泉首相に対して、反対意見を申し出た為に外務省を解雇された人物である。今の外務省は対米従属派が大勢を占めており出世の条件となっているらしい。

天木氏のイラク戦争への加担を反対した提言が正しかったことは現在、証明済みである。良心を持った世界市民はイラク戦争を始めたブッシュ大統領と軍産共同体を許すことはないだろう。アメリカを始めとするイラク、アフガニスタンの戦争の何十万という犠牲者に報いる為に、日本はアメリカの戦略から手を引くべきである。

戦後、日米安保体制が発足、東西冷戦を経て、その壁が崩壊した現在も日米の異様な関係が続いている。日米の軍事同盟がこのままでいいはずはない。アメリカが日本を守ってくれるなんて幻想に過ぎない。我々は騙されているのだ。知らされていないのだ。すでに在日米軍はアメリカの世界戦略の重要な位置づけとされている。憲法9条に明らかに違反している状態なのである。

このままでは、日本は世界の笑いものにされる。「いつまで日本はアメリカのいいなりでいるのか」と。

マスコミが伝えなかった今日の民主党の党首選挙の本当の争点はここにあったのだが。結果には失望した。新しく選ばれた菅政権が古い自民党の外交を引き継ぐ結果となるのは目に見えている。沖縄返還の日米の密約問題、日米地位協定改定問題もあやふやになったまま、辺野古への米軍基地移転を認めた菅政権に期待することは何もない。

現在の民主党の政権内にアメリカとの対等な関係を築こうとする気骨のある政治家は皆無だ。

日本国民が米軍基地にノーを突きつければアメリカ軍が沖縄から出て行く可能性は大いにある。国民の意思表示が一番の外交手段でもあるという。

日本の民主党政権が対米従属政策から脱却し、自衛隊を専守防衛のための軍隊として認め不戦を誓い、憲法9条を武器に真の独立国家として再出発できるか。「さらば日米同盟」は日本と世界の戦争と平和を考えさせる本である。

今日紹介した2冊「エコノミックヒットマン」「さらば日米同盟」は日本人が戦後、従属してきたアメリカという国がどんな国なのかを知り、これから日本が目指す方向性を再確認できた本である。

南米ではベネズエラ、ボリビア、ブラジルなどアメリカ戦略と決別した大統領が誕生している。イギリスではブッシュと手を組んだブレアー元首相がイラク戦争の責任を問われている。

民主党政権はどうして小泉元首相のブッシュを支持した責任を追及できないのか。菅政権がアメリカ追従政権だからである。

日本は世界から見れば発展途上国であるな。

|

« 「波の記憶-舟大工、新城康弘の物語」上映会のお知らせ | トップページ | 民主党選挙 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「エコノミックヒットマン」と「さらば日米同盟」:

« 「波の記憶-舟大工、新城康弘の物語」上映会のお知らせ | トップページ | 民主党選挙 »