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2011年11月 5日 (土)

カムイノミ

北海道白老町にあるアイヌ民族博物館で5日、カムイノミという儀式が行われた。

萱野茂のアイヌ語辞典によるとカムイノミとは―祈る。神への祈り。祭る。祝詞―とある。神との交信をする先住民族アイヌの儀式とするのがよりその場の雰囲気が伝わりやすいかと思う。

Ca3e0166

収穫期が終わり、村の繁栄を祈り、今年新たに造られた丸木舟の進水式を兼ねた儀式だった。Ca3e0162

この丸木舟は今年の6月に富良野市にある東京大学演習林から切り出されたハリギリの大木をくり抜いて作ったものだ。伐採から完成までの記録を映像に残す仕事に携わってきた。

午前10時30分から始まった儀式、司祭がアイヌ語で祝詞を読み上げ、火の神をはじめ自然界の存在する神々へ今年できた酒を捧げ、二時間ほどかけて祝った。

都会に住む日本人にはまず理解できないだろうアイヌの精神だが、実は田舎ではまだかろうじて受け継がれている神々への祈りと共通する儀式でもある。はるか昔、縄文時代に始まった古き良き日本人が持っているはずの自然界への信仰の根本精神をこの儀式で垣間見ることができる。

この半年間、アイヌにとって異民族である日本人の私が撮影を依頼され丸木舟の記録を映像に残すことができたのは光栄の一言に尽きる。

しかし、本当はアイヌ文化の記録はアイヌ自身が撮影し、子孫に今のアイヌの姿を伝え残すことが本来のあり方だと以前から考えてきた。これまでに見た映像は全てアイヌ以外が撮影したものだ。これからはアイヌ民族自身で撮影、編集をして記録に残すことを願っている。ブラジルでは既に20年も前から先住民自らが映像製作に携わっている。そのための技術をアイヌの若者に伝えることは全くもって吝かではない。

カムイノミは自然界に存在する神々への畏敬を表し、先祖を敬い、最後は儀式に使用した器や御座にも感謝を表して終わる。

現在進行中のTTP・原子力発電問題。

このままグローバリズムの名のもとに大量生産、大量消費、大量投棄を信仰し人類滅亡への道を邁進するのか、アイヌ文化が示唆する自然界への畏怖と感謝で持続可能なサイクルに近づきつつ、半永久的な自然界との共存協栄、子孫反映を願うのか。

答えはすでに出ているのだが。

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